2011.08.19 Friday
ヒトリタビ
スペイン・バルセロナ2編
[バルセロナ・パビリオン]1929
ミース・ファン・デル・ローエ設計
バルセロナ万博のために数ヶ月しか存在しなかった建物が
50年も経て、同じ場所、同じ姿で再現されたもの
ガラスと鉄と石の抽象芸術
水平、垂直ラインで切り取られた空間が
絶妙な寸法を与えられ
人の動きを促し、視線を制御する事で、
これほどの小空間にとても豊かなストーリーが展開していきます
[大理石の壁]
両端は無垢材で真ん中4枚はスライスした薄板を貼ったもの
小口に無垢材を使うことで全体を無垢材に見せています
[柱]
トラバーチンの床とステンレス(オリジナルはクローム)の十字柱
あまり知られていませんが、このパビリオンには地下があります
床の目地は目地材がつめられておらず
大理石の壁と床の取り合いもわずかにスリットが入っていて
そこから地下空間に光が差し込んでいるらしい
”らしい”というのは地下は誰も見ることがない空間なのです
当初、この床下空間に投光器を仕込んで
光の格子を天空に映し出そうとしていたようです
地下の暗闇に差し込む光の格子も
夜空に写し出される光の格子も
見てみたいものです