雑記帳

2011.09.27 Tuesday

ヒトリタビ

フランス・ラルブレル編

 

 

[ラ・トゥーレットの修道院]1960

ル・コルビュジエ設計

 

 

祈りや黙想、研究の行いやすいような形態、配置、順路
私はまず思い描いた・・・
今日人々がもっとも必要としているもの
すなわち静寂と平和を

この修道士たちの棲み家に
いかにしてもたらしうるかを考えた

この沈黙のうちに修道士たちは神と対峙するのである

 

 

建築はひとつの容れものである
この8年間の仕事を通じて私が知り得たことは
この容れもののなかに
いと高きものでさえもはぐくみえる
ということであった

 

 

作品の輝きは比例から生まれる
この比例なるものを言葉で説明するのはきわめてむずかしく
私は〈L’espace indicible—えも言われぬ空間〉なる言葉を編み出した
これは実際私がこの仕事を通じて発見したものである
一個の作品が強さ、比例、質、施工、完成度において
その極限までに到達し得たとき
そこにL’espace indicibleが現象する
そのときその場は光輝く
たとえ話ではなく現実にある場所が光を放つのだ
そこには私が〈L’espace indicible〉と呼ぶもの
すなわち大きさではなく完成度の高さが生み出す衝撃がある
それはもはや言葉を超えた世界に属するものだ

 


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